テキサス大学オースティン校オンラインCS修士に合格するまで【MSCSO】
出願理由やプロセス、合格率などについて解説していく
こんにちは、Masaki Nishi@Xです。
フルタイムでエンジニアとして働きながら、1年半でアメリカのオレゴン州立大学のコンピュータサイエンス学士号を取得した後に、テキサス大学オースティン校のコンピュータサイエンス修士オンラインプログラム(MSCSO)にアプライし合格しました。
オレゴン州立大学でコンピュータサイエンス学士号を取得した話は下記記事にまとめています。
テキサス大学オースティン校のコンピュータサイエンス修士号のオンラインプログラムに合格しました。 pic.twitter.com/Ai6bPLuQzX
— Nishi🇺🇸社会人学生エンジニア (@ni_5h1) September 6, 2024
本記事はMSCSOの出願理由や要件、プロセス、合格率や合格者平均GPAなどの統計データを備忘録として残しています。
また、同時期にジョージア工科大学のコンピュータサイエンス修士オンラインプログラムも合格しているので、下記記事にしています。
両校のプログラムの詳細については、下記の比較記事を参照してください。
出願理由
ジョージア工科大学のアプリケーション締切日時と近く、学費が安かったというのが単純な理由です。また、セレクティブなプログラムであることは知っていたので、合格するか単純に興味がありました。
プログラム内容的には、テキサス大学オースティン校はAI/ML以外のコース選択幅が狭いため、ジョージア工科大学の方が魅力がありました。
必須要件
コンピュータサイエンスもしくは関連学士号を取得しており、GPA3.0以上が要件とされています。職業上の経験も考慮するようですが、基本的にはアカデミックヒストリーを重要視されます。
コンピュータサイエンスの学士号を取得していない場合は、過去のコンピュータサイエンス関連の経験をもとに判断し、MSCSOの前提条件を満たしていれば良いとのことです。
具体的には下記コース相当の単位が必要です。MOOCなどでは代替にならない可能性があります。
- Discrete Math for Computer Science (CS 311)
- Introduction to Programming (CS 312)
- Data Structures (CS 314)
- Algorithms and Complexity (CS 331)
- Computer Organization and Architecture (CS 429)
- Principles of Computer Systems (CS 439)
必要申請書類
基本的にはMSCSOのアプライページに記載してある通りです。アプリケーション書類に基本情報を記入した後に、以下の書類が必要になります。
English Proficiency Requirements
英語要件では、以下のテストと最低スコアを受け付けています。
- TOEFL: 79 on the Internet-based test (iBT)
- IELTS: An overall band of 6.5 on the Academic Examination
私はアメリカの大学で学士号を取得したので、英語要件は免除されるのですが、数年前のTOEFLスコアを提出する形となりました。
背景としては、学士号を取得するという決断をする前に、MSCSOのアプライを途中まで進めていたのですが、その際に提出したスコアが学内のシステムに登録され、今回のアプライに情報が引き継がれた状態で削除もできないという状況になったためです。問い合わせてみましたが、仕様のようでした。
GRE
こちらはオプショナルで提出の必要がありません。コロナ禍に一時的にオプショナルになりましたが、現在も引き続き任意の状態となっているため、今後も必要ない可能性が高いです。
アメリカの大学院全般的にGREは廃止の方向に向かっているので、このプログラムも漏れなく必要ないということだと思います。
Letter of Recommendation
推薦書もオプショナルの提出で、3通まで提出することができます。基本的には教授など、アカデミックな推薦書が望ましいです。職場の同僚などはあまり有効な推薦書にならないので、個人的には提出しなくても良いかなと思います。
私は日本の大学でお世話になった教授、オレゴン州立大学の教授、オレゴン州立大学に単位移行するためにクラス受講したコミカレの教授にお願いしました。快く受け入れてくれてくださり、とても感謝しています。
提出方法については、システムに教授のメールアドレスを登録すると、メールアドレス宛に推薦書フォームのリンクが届きます。
推薦書フォームの形式は、各能力ごとにTop何%に値する人物かを選択する項目があり、その後に選択した内容について自由形式で説明するための項目があります。
具体的には、知的能力やライティング、スピーキング、学業準備、モチベーション、成熟度などの項目があります。
上記のようにある程度形式が定まっていることから、ネット上の推薦状フォーマットを適当に拾ってきて教授に依頼してしまうと、内容に即さない可能性があるので留意しましょう。
基本的には大学院レベルのコンピュータサイエンスの授業についていけるような人物である根拠を提示するような内容で良いと思います。
Statement of Purpose
特に重要な志望理由書です。
英語論文で見かけるdouble-spaced形式で、2ページまでとなります。余白は上下左右ともに1インチで、フォントサイズは12ptの指定があります。
double-spacedはかなり文字数が短くなるので、凝縮する必要があります。私は450単語となりました。
内容としては、このプログラムに参加するために行った準備、アカデミックや職業上の興味、大学院で勉強する理由、卒業後の進路などを記載する必要があります。
私は、下記の構成で作成しました。
- オレゴン州立大学での経験と大学院への準備が整っているというアピール
- 職業上も大学で学んだコンピュータサイエンスを活かすように変化し、その上で、さらに知識を深めたいというアピールで、大学院で学ぶ理由付けと必要性を強調
- 大学院で学ぶ意欲と詳細な理由をアピール
- 日本人として日本に住んでいるというマイノリティ性もアピールしつつ、卒業後の計画をアピール
- まとめ
アメリカの大学はダイバーシティ性を重視するので、マイノリティであることなどは積極的にアピールして良いと思います。以前にオレゴン州立大学の記事公開後に、日本人からの問い合わせや入学者が増え、大学のマーケティング責任者から感謝された経験もありますし、日本人は特に重宝されると思います。
Resume/CV
履歴書のフォーマットに特に指定はないので、オレゴン州立大学に合格した際に提出した履歴書を焼き増したものを提出しました。
そもそもこの履歴書は、AWSに入社する際に提出したもので、職業に関する情報が多めなプロフェッショナル形式の履歴書であまり良くありませんでした。めんどくさがらずにちゃんとアカデミック用に作った方がいいと思います。
また、自分は書き忘れてましたが、履歴書の要件を見返すと履歴書の最後に前提要件を満たしていることを記載するようにあったため、SoPで足りない部分を補うような文章を記載すると良さそうです。
Transcripts
過去に単位取得した全ての大学の成績書を提出します。この時点では、公式成績書をスキャンしたものをアップロードするだけで良いです。合格後に公式成績書を送る必要があります。
私は日本の大学はGPA3.0以下(厳密に計算していない)で、オレゴン州立大学ではGPA4.0の成績証明書を送っています。
セレクション情報
テキサス大学オースティン校のアドミッション統計ページに情報が載っています。
オンラインのコンピュータサイエンスプログラムは、Natural SciencesのComputer Science (MSCompSci, Option III) (627820)に該当します。
合格率
2024 Fallは、2,071人アプライし、633人合格、329人が入学したようで、30.56%でした
私が合格した2025 Springはアップデートがあれば更新します。
平均GPA
平均GPAは応募者が卒業したアメリカの大学でのみ計算されており、2024 Fallの計算対象は1,374人で、3.43でした。
合格者に絞ると計算対象は483人で、平均GPAは3.71でした。
合格者のバックグランド
Reddit(掲示板)にMSCSOのグループがあり、その中の入学スレで、ユーザーが自主的に投稿した合否結果のコメントがあります。
コメントを眺めると、コンピュータサイエンス専攻でない場合はGPAが高くてもRejectされてますし、コンピュータサイエンス専攻の場合でもGPA3.5以下は高確率でRejectされているようです。
職業上の経験年数があっても、学部時代の成績が悪ければ落ちているので、GPAが大事ですね。
まとめ
比較的新しいプログラムであるということに加えてGPA要件が重すぎて、ジョージア工科大学に比べてテキサス大学オースティン校の日本語の情報がかなり少ないです。
現状のネット上では、日本の大学から合格した報告は見受けられませんでした。どなたか情報を持っていたら教えていただけるとありがたいです。
この情報がお役に立てば幸いです。
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