ジョージア工科大学オンラインCS修士に合格するまで【OMSCS】
出願理由やプロセス、合格率などについて解説していく
こんにちは、Masaki Nishi@Xです。
フルタイムでエンジニアとして働きながら、1年半でアメリカのオレゴン州立大学のコンピュータサイエンス学士号を取得した後に、ジョージア工科大学のコンピュータサイエンス修士オンラインプログラム(OMSCS)にアプライし合格しました。
オレゴン州立大学でコンピュータサイエンス学士号を取得した話は下記記事にまとめています。
テキサス大学オースティン校に引き続き、ジョージア工科大学のコンピュータサイエンス修士号のオンラインプログラムに合格しました。
どちらに進学するかは要検討です! https://t.co/f2ZfhVqoNF pic.twitter.com/B4JXQ6vAXt
— Nishi🇺🇸社会人学生エンジニア (@ni_5h1) October 8, 2024
本記事はOMSCSの出願理由や要件、プロセス、合格率や平均GPAなどの統計データを備忘録として残しています。
また、同時期にテキサス大学オースティン校のコンピュータサイエンス修士オンラインプログラムも合格しているので、下記記事にしています。
両校のプログラムの詳細については、下記の比較記事を参照してください。
出願理由
まず、圧倒的に学費が安いという理由です。
アメリカの大学・大学院全体で考えると、異常値なほど学費が安いため、プログラムの思想が変わったり等で学費が高騰する前に修士号を取得しようという魂胆です。将来的にオンキャンパスの修士や博士号プログラムに進学したい場合でも、単位移行ができることを考えると非常にお得です。
次点で、コース選択の幅が広いという理由です。
詳細は比較記事の方に記載してありますが、テキサス大学オースティン校と比べ、AI/ML以外のコース選択幅が広く、OSやネットワーク、セキュリティ、データベースなどのコースが豊富で、それらの領域の知見を深めたいという理由です。
必須要件
OMSCSのアドミッション要件のページに記載があります。
コンピュータサイエンスまたは関連分野(通常は数学、コンピュータエンジニアリング、または電気工学)の学士号と、累積GPA3.0以上が必要となります。これらの基準を満たさない場合は、個別に評価されます。
基本的には職務経験は学位の代わりにはならないと記載がありますが、OMSCSに向けた準備方法が記載されているページに記載されている要件を満たすことで、入学基準を満たすことができます。
具体的には、ジョージア工科大学が提供している以下のMOOCを良い成績で完了することが必要になります。
- Introduction to Python Programming, using the same material as CS1301: Introduction to Computing at Georgia Tech.
- Introduction to Object-Oriented Programming with Java, using the same material as CS1331: Introduction to Object-Oriented Programming at Georgia Tech.
- Data Structures & Algorithms, using the same material as CS1332: Data Structures & Algorithms at Georgia Tech.
必要申請書類
基本的にはOMSCSの要件ページに記載してある通りで、以下の情報が必要になります。また、申請ですべきこと・すべきでないことは追加のアプリケーションガイドラインに記載があるので、事前に目を通しておくと良いです。
Personal information
下記の個人情報が必要になります。
- フルネーム
- 生年月日と出生地
- 永住地および現在の住所
- 推薦者の名前とメールアドレス(詳細は後述)
- 犯罪歴および学業上の不正行為歴
- 市民権
- 民族
- 居住地
- 米軍所属情報
Academic history
下記の書類を提出する必要があります。
- 在籍したすべての大学からの公式または非公式の成績証明書
- 取得した学位。学位を取得している場合は、成績証明書に学位授与日が記載されている必要があります。
申請時においては、公式成績証明書をスキャンした電子データ(非公式の成績証明書扱いとなる)をアップロードするだけでも良いです。
合格後は下記のいずれかの方法で公式成績証明書を提出する必要があります。
- 日本の大学の場合:
- 日本の大学のメールアドレスからジョージア工科大学のメールアドレスに直接電子送付するように日本の大学の担当者にお願いする
- ジョージア工科大学の住所宛に日本の大学から厳封して直接郵送してもらう
- アメリカの大学の場合:
- おおよその大学はParchmentのようなサービスに対応しているので利用する
私はオレゴン州立大学はGPA4.0で、日本の大学ではGPA3.0以下(厳密に計算していない)の成績証明書を送っています。
Resume
OMSCSも履歴書のフォーマットに指定はないので、テキサス大学オースティン校にアプライする際と同じ履歴書を提出しました。
詳細はテキサス大学オースティン校の合格記事を参照してください。
TOEFL/IELTS
OMSCSの英語要件のページを確認すると、以下の要件が記載されています。
- TOEFL Requirements
- Minimum Score Required: Internet-based: 100, with minimum section scores of 19
- IELTS Academic Requirements
- 7.5 Overall Band score and minimum Component Band scores of:
- 6.5 Reading
- 6.5 Listening
- 6.5 Speaking
- 5.5 Writing
- 7.5 Overall Band score and minimum Component Band scores of:
OMSCSのReddit(掲示板)では、TOEFL90点以上でも合格するということが通説となっていますが、近年は100点以上に近づけているという話もあります。
私はアメリカの大学で学士号を取得したので、スコアを提出していません。
Statement of Purpose
以前は志望理由書の提出が必要でしたが、現在は13個の自由回答形式の質問と9つのYes/Noクエスチョンに回答する形で、志望理由を明示します。
Redditによると、幼少期の頃の経験のような意味のない部分を志望理由書でアピールする人が一定数いたらしく、何の参考にもならないことから定型の質問をする形に変更したようです。
質問としては、CS関連のアカデミックな経験や最終的なキャリアゴール、CS関連のインターンシップ経験、学部時代のGPAが低い場合の理由、OMSCSで学ぶ理由・目的などが聞かれます。
文字数制限も短いですし、正直に答えるだけで良いので、志望理由書を書くよりだいぶ楽な印象です。
Letter of Recommendation
OMSCSの場合は3通の推薦書が必須です。
応募者との関わりが深い、アカデミック関係の方を推薦者として選ぶことを推奨しています。職場の上司なども推薦者としては可能ですが、基本的にはアカデミック関係の方から推薦書を書いていただく方が良いと思います。職場の同僚等はあまり有効な推薦書にはならないとアプリケーションガイドラインに記載があります。
私は日本の大学、オレゴン州立大学、オレゴン州立大学に単位移行するためにクラス受講したコミカレ、それぞれに在籍する教授から3通推薦書を書いていただきました。快く引き受けてくださり、とても感謝しています。
セレクション情報
ジョージア工科大学の統計ページに情報が載っています。
Admissions → Graduate Admissions → Campus(Online), College(College of Computing), Program(MS in Computer Science, Online)の順で選択していただくと、OMSCSの統計情報が確認できます。
合格率
2025 Springは、4,413人アプライし、3,883人合格したようで、88%でした
テキサス大学オースティン校と比べて3倍ほど合格率が高く、大方合格しているようです。
応募者属性
Gender
Gender | Applied | Accepted | Accepted Rate |
---|---|---|---|
Female | 963 | 825 | 85.7% |
Male | 3,450 | 3,058 | 88.6% |
Ethnicity
Ethnicity | Applied | Accepted | Accepted Rate |
---|---|---|---|
American Indian or Alaska Native | <10 | <10 | 100.0% |
Asian | 2,147 | 1,894 | 88.2% |
Black or African American | 223 | 184 | 82.5% |
Hispanic or Latino | 337 | 293 | 86.9% |
Native Hawaiian or Other Pacific Islander | <10 | <10 | 50.0% |
Two or more | 115 | 104 | 90.4% |
Unknown | 690 | 587 | 85.1% |
White | 897 | 818 | 91.2% |
Citizenship
Citizenship | Applied | Accepted | Accepted Rate |
---|---|---|---|
NULL | 13 | 12 | 92.3% |
Alien, Non-Resident* | 1,410 | 1,216 | 86.2% |
Alien, Resident* | 344 | 298 | 86.6% |
US Citizen* | 2,646 | 2,357 | 89.1% |
面白い統計ですね。特に人種の傾向が色々推測できて面白いです。国外の留学生比率の高さとアジア人の多さから、アジア圏の学生が母国から多く受講してると推測できそうです。
平均GPA
公式の統計としてはデータがありませんでした。
OMSCSのReddit(掲示板)の入学スレで入学者のGPAが記載されているので、非公式に平均GPAは算出できそうです。
GPA3.0以下でも合格しているケースはありますね。
合格者のバックグランド
同様に上記入学スレで確認することができます。
過去の入学スレも確認すると、非コンピュータサイエンス学部卒業かつ、GPA3.0以下でも合格している人はいるようです。その場合、おおよそMOOCを完了しているようです。
まとめ
OMSCSはテキサス大学オースティン校のプログラムと比較すると、あまりセレクティブではないようです。テキサス大学オースティン校に比べて、ジョージア工科大学のプログラムの方が日本語の情報が多いのも頷けます。
個人的にはプログラムの質と学生の質の両面から、もう少し学生を絞った方が印象が良いです。プログラム自体が魅力的なだけに惜しいですね。
進学先は以下の記事で確定しました。
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